ですやんです。

ですやんです。徳島にいます。演劇したりしてます。稚拙な文章能力を向上させるためにブログを始めました。映画や舞台の感想など色々と書きたいです。

女殺油地獄

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女殺油地獄(1992)

 

Amazonプライムにて鑑賞。お恥ずかしながら、タイトルすら初めて聞きましたが、原作は近松門左衛門人形浄瑠璃でそれ以降、結構映画化、ドラマ化してるみたいです。

普段、2000年以降の邦画を基本見ているので、昔のちょっとドロドロした作品がみたいなと思って鑑賞しました。

 

女殺油地獄ーおんなごろし あぶらのじごくー

享保6年(1721年)に人形浄瑠璃で初演。人気の近松作品と言うことで歌舞伎でも上演されたが、当時の評判は芳しくなく、上演が途絶えていた。ちなみに、実在の事件を翻案したというのが定説だが、その事件自体の全容は未詳である。

明治になってから坪内逍遙の「近松研究会」で取り上げられ、明治42年(1909年)に歌舞伎で再演され大絶賛された。文楽人形浄瑠璃)での復活はそれから更に年月を経た昭和27年(1947年)であった。

近年では歌舞伎、文楽の他に、映画化やテレビドラマ化もされており、「おんなごろし あぶらのじごく」と発音されることが多い。

                (Wikipediaより引用)

 

今回見た1992年の映画は、近松門左衛門の原作とは結構内容が異なっているそうです。

今回は、映画の感想なので、そっちメインで書きますね。

 

あらすじ

大阪で油の商いを行う河内屋の与兵衛は、油屋の元締めである小倉屋の一人娘・小菊と密会を重ねていた。二人の関係が知られてしまうと河内屋は商売ができなくなると、乳母のお吉は諭すが、与兵衛は聞く耳を持たない。しかし小菊は異常な行動を取るようになってしまう。小菊が他の男と結婚し、与兵衛はようやく仕事に打ち込むようになったが、小菊は仕事場から与兵衛を誘い出し、またもや密会を重ねるのだった。

            (Yahoo!映画より引用)

 

感想

このあらすじを見ると最初主役は小菊かと思ったけど、実際はお吉の方だった。

お吉は、旦那と子供2人いながらも、与兵衛に段々と恋心を思うようになる。これも最初は、与兵衛が赤ん坊の頃から育ててきた情から、心配に思っているのだと思っていたが、それにしても愛情が行き過ぎてるなぁと思ってたら、案の定、与兵衛が好きな故の行動だった。

なぜ、与兵衛好きになったかがちょっと面白かった。与兵衛はこの世を毛嫌いしていて、いつも小刀を持ち歩いてるのを見たときに、ずっと子供だと思っていた与兵衛が男になっているのを感じたんだそう。多分、お吉は与兵衛に色気を感じたのかなーと思う。危険でダメな男を好きになってしまう気持ちは誰でも持ってるよね。。

 

 

それと、嫌いな人は多いかもしれないけど、小菊が結構好きだった。酒屋と結婚してからも与兵衛と密会をする小菊にお吉が問いただすシーンが最高に良かった。まず、お吉を見かけた時の表情が口だけしか殆ど動いてないけどイヤイヤな感情が伝わってすごくひきこまれた。

そして、お吉の足を踏みつけながら、お吉の嫌がる年齢の話(ここの「アホくさ」と言い放つシーンが最高に良い)や、亭主の力で店を潰す事もできるという、嫌味。自分浮気してるのに。この性根から腐っている感じが、周りにいたら嫌だけど、見る分には人間らしくて良い。

小菊はすごく自分の欲望に対して正直で、この映画の中で一番ブレてない人かもしれない。

 

 

最後に、与兵衛。いつでも小刀を持っていたり、女とすぐ駆け落ちしようとする。(これは勝手な私の思い込み)

自分の愛していた小菊がおかしくなったとき、それまで邪険に扱っていたお吉を呼んだりする所が私はあんまり好きではなかった。(だって母を呼びつける様なもんでしょ)

私的には、小菊が嫌がってるのに、無理矢理心中させようとする方がよっぽど怖かった。

お吉にも、子供と旦那を置いて、駆け落ちしようと迫ったりとか。全て投げ出して貰わないと、愛情を確認できないのかなと思ってしまった。

与兵衛は純情過ぎて、逆に怖かった。

 

 

 

最後に

江戸時代の表現が用いられてる所もあり、少し難しかったが人の怖い部分が見れて面白かった。

時代物の映画は自分の中で何処か毛嫌いしていた部分があるので、これを機に古い映画も見てみようと思った。